動画の良し悪しは主観に頼るところが多いです。
なので、この記事で挙げるポイントは私の独断にすぎません。
一応、現役の動画屋・デジタルサイネージ屋の立場としてですが。
1、その動画は視聴者に見えるか
視聴者と常に5m離れた距離でありながら、
1mまで近づかないと読めない文字を表示する…。
バカバカしい話ですが、実際にあります。
私は研究目的で、都市部のデジタルサイネージ動画を撮影することがありますが、
大手企業のコンテンツでもこのような失敗はやっていますね。
原因は、DTP(印刷)分野のデザイナーやオペレーターが、
現地の再生環境を意識せずに作ってしまうことです。
見た目が立派な映像でも、これでは意味がありません。
コンテンツだけでなく、ハード面でもこのような失敗はあります。
・低照度のデジタルサイネージを日中屋外で使用する。
・環境音の厳しい環境で、音声に頼ったコンテンツを作る。
これらはコンテンツの出来以前の問題です。
ターゲットに気づかれない、視聴されないのですから。
2、その動画が何の仕事をしているか、直ぐに分かるか
要は「分かりやすい動画か」です。
デジタルサイネージがこなす仕事は
販売・誘導・告知・アピール・雰囲気作り……と様々ですが、
一瞥してその仕事の意味を視聴者が拾えないなら、
デジタルサイネージのコンテンツとしては不十分と言えます。
歩行者がデジタルサイネージを注視する時間はほんの数秒もありません。
まずは一瞥で関心を引く必要があります。
関心を引くことに成功すれば、その後視聴されるチャンスがあります。
第三者がひと目見て、何の動画か分からない動画は、駄目です。
これに制作者の意図は関係ありません。視聴者の反応が全てです。
作り手や販売者は手前のコンテンツを贔屓目で見る場合がありますが、
自己満足は所詮自己満足です。
動画だけで状況を理解させるのは、実は高度な技術です。
その技術の頂点は映画やドラマでしょう。
デジタルサイネージのコンテンツでは、
テロップを使って情報を補助するのが合理的です。
3、視聴者が動画をいつ視聴しても、必要な情報を提供できるか
デジタルサイネージの動画は、
視聴者は動画のどの時点から視聴を始めるか分かりません。
テレビ番組がアンカー(動機)となるテレビCMとは構造が違うのです。
視聴者がどれだけの時間見るかも分かりません。
繰り返しますが、テレビ番組の様なアンカーは無いのです。
視聴者は歩行中であったり、待合中の暇な時間であったりと、
それぞれの事情で、たまたま目に入った映像を観ています。
ここで仕事をするのはテロップです。
通販番組やワイドショーは画面の一部に常に情報を表示します。
一瞥で状況を理解してもらうために有効な手段です。
逆に言えば、デジタルサイネージの動画でありながら
テロップを使っていない場合は、
媒体の違いを理解せず制作されている可能性があります。
4、視聴者に行動を促しているか
税金対策や芸術活動であればともかく、
デジタルサイネージは殆どの場合、営利目的で表示枠を確保しています。
ですから、動画を通じて視聴者に具体的な行動を促すことが重要です。
・お店に来てください
・問い合わせしてください
・相談してください
・この商品名を覚えてください
・インターネットで検索してください
・買ってください
通販番組はこの点非常に明確です。
常に画面の片隅にフリーダイヤルを表示しているでしょう。
あれは、購入の窓口を動画の全編に用意しているということです。
趣味や自分のセンスを発現するのは結構なことですが、
まずもって、上記4点の条件をクリアしているか確認をお勧めします。
お金を掛けて折角表示するのです。ちゃんと仕事させましょう。

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